2025年11月版|新規民泊登録・廃業の動向と背景分析

2025.12.26民泊市場

新規民泊登録

2025年11月時点の国土交通省の公的統計によると、民泊の新規登録数は堅調な増加を見せており、全国的に動きが活発化しています。

一方で、廃業件数も引き続き増加しており、業界の新陳代謝が進んでいることがわかります。

本記事では、2025年11月時点の新規登録・廃業の実態とその背景を分析し、今後の市場動向についても考察します。

 

新規民泊登録・廃業の現状と推移

こちらでは国交省の公的統計に基づき、定点観測的に登録、廃業データを提示、最新動向について触れていきます。

出展:民泊制度ポータルサイト 住宅宿泊事業法の届出状況

 

登録・廃業数の最新動向

2025年11月時点における民泊の登録および廃業状況は、引き続き活発な動きを見せています。

国土交通省が発表した統計によると、住宅宿泊事業の届出件数は累計で57,512件、廃止届出件数は20,661件となっています。(2025年11月16日時点)

前回の9月時点(累計55,377件)から約2,135件の増加が見られ、過去3回連続で新規登録数が2,000件を超えるペースが続いています。

一方、廃業数も約530件増加しており、緩やかではあるものの一定の退出が継続しています。

 

登録数の伸びが継続している背景には、観光需要の回復や都市部でのインバウンド再拡大、さらに地方での二拠点生活やワーケーション対応ニーズの高まりなどが挙げられます。

一方で、事業継続のハードルとして法令遵守や採算ラインの維持が難しい事業者が多く、採算性の低い施設や管理体制の不備がある物件は撤退するケースが目立ちます。

登録・廃業の両動向を見ながら、質の高い運営体制や差別化戦略が今後一層求められる状況と言えるでしょう。

 

登録・廃業推移の傾向分析

2025年11月時点における全体の廃業率は約36.0%と、直近の月と同水準で安定しています。

新規登録の増加は、7月〜9月にかけての急増と同様に高水準を維持しており、依然として参入意欲の高まりが続いています。

一方で、法制度対応や収支面の問題を理由とする廃業も継続しており、市場淘汰の側面も見逃せません。

また、都市部と地方、専業と副業など、事業者属性によっても登録・廃業の傾向には明確な差が生じています。

エリアや事業モデル別の分析は、今後の戦略立案において重要な視点となるでしょう。

 

2025年9月から2025年11月にかけての全国推移まとめ

2025年9月から2025年11月

届出住宅数は約2,135戸増加

廃止届出住宅数は約530戸増加

 

背景要因の分析

民泊登録数の堅調な増加には、複数の要因が関係しています。

まず、訪日外国人旅行者の回復基調が続き、都市部を中心に宿泊需要が持ち直している点が挙げられます。

特にインバウンド需要に対応する都市型民泊の伸長が顕著です。

一方で、廃業が続いている背景には、物価上昇に伴う運営コストの増加や、清掃・人材確保の難航、地方圏での集客難といった経済的・地域的課題が存在します。

加えて、法令遵守の負担感や、自治体による規制強化も離脱の要因となっています。

こうした外部環境の変化に伴い、民泊運営の勝ち残りには、差別化戦略や収益構造の見直しが求められる局面に入ってきています。

 

今後の市場見通しと運営者への示唆

運営者への示唆

市場規模と供給動向

2025年11月時点で確認された重要な動きとして、大阪市の特区民泊制度が2026年5月29日をもって受付停止となる決定があります(参考:大阪市特区民泊制度の終了)。

これにより、特区民泊としての新規開業は期限付きとなり、今後の登録件数に一定の影響を与える可能性があります。

特に直前期には、駆け込み需要によって一時的に登録数が急増することが考えられますが、その後は増加ペースが鈍化し、地域全体の供給バランスにも変化が及ぶと予測されます。

また、規制強化や制度変更に備えて、旅館業許可や住宅宿泊事業法(民泊新法)を活用した柔軟な運営形態へのシフトも検討すべき局面です。

 

一方で、2026年以降を見据えると、訪日外国人観光客の構成にも変化が見られつつあります。

中国からの団体旅行者数は世界情勢の影響で減少傾向にあり、かつての旺盛な需要が戻るには時間を要する可能性があります。

そのため、今後は台湾・韓国・欧米圏からの個人旅行者(FIT)を中心に据えた集客戦略への転換も重要です。

今後の民泊市場は、制度・環境の変化に柔軟に対応できる運営体制と、多様なターゲット層に向けた差別化が鍵となります。

 

運営者が備えるべき視点

大阪市では、特区民泊の新規受付が2026年5月29日で終了することが正式に発表されました。

今後は、旅館業法や住宅宿泊事業法(民泊新法)による運営への移行が求められます。

これにより、法令適用範囲や営業日数の制限、近隣住民対応などの運営要件が変わるため、制度変更への早期対応が不可欠です。

また、旧正月を前にした訪日需要の予測が難しい中、国内顧客への訴求強化も視野に入れた戦略が求められるでしょう。

 

【11月の特集】情勢の影響による中国観光客の減少

2025年11月時点において、中国からの訪日観光客数は、前年同月比で伸び悩む結果となりました。

これは、国際情勢の影響や中国国内の経済不安、旅行制限の再強化など複合的な要因が影響していると考えられます。

例年、旧正月(春節)に向けた需要が見込まれる時期ではありますが、予約数はやや鈍化傾向にあります。

特にインバウンド依存度が高い施設は、国内旅行者を意識したプラン設計が今後の安定運営の鍵となるでしょう。

 

おわりに

2025年11月時点の民泊市場は、新規登録数の堅調な伸びと、依然続く廃業傾向の両面が見られました。

大阪の特区民泊制度の変更や中国観光客の減少など、外部環境の影響も見過ごせません。

今後も公的データや市場動向をもとに、戦略的な運営判断が求められるでしょう。

引き続き、本サイトでは最新の民泊情報を発信してまいります。

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榊原 啓祐
ハウスクリーニングや壁紙再生事業でフランチャイズ本部事業等を立ち上げ、僅か5年で400店舗以上を出店。民泊事業には2015年8月に参入し、現在では民泊運営と共に、リゾート地での貸別荘もスタート。ハウスクリーニングの経験から、民泊清掃の第一人者でもあり、これからの民泊業界を牽引する若き経営者。