2026年1月版|新規民泊登録・廃業の動向と背景分析
2026.02.09民泊市場
2026年1月時点での住宅宿泊事業(民泊)の登録・廃業状況が、観光庁より公表されました。
インバウンド回復や国内旅行の多様化にともない、民泊市場は引き続き注目されています。
一方で、施設数の増加と同時に廃業件数も増えており、持続的な運営には慎重な戦略が求められる時期に差し掛かっています。
本記事では、国の統計データをもとに、2026年1月時点の新規登録数・廃業件数の推移や背景要因、今後の市場見通しを詳しく解説します。
新規民泊登録・廃業の現状と推移
こちらでは国交省の公的統計に基づき、定点観測的に登録、廃業データを提示、最新動向について触れていきます。
登録・廃業数の最新動向
2026年1月15日時点での住宅宿泊事業(いわゆる民泊)の累計届出住宅数は59,427件となりました。
前回の2025年11月15日時点の57,512件から約1,915件の増加と、前回(11月)よりも増加幅が小さくなっています。
一方で、廃止届出も約654件増加しており、依然として廃業の動きは継続中です。
月単位の増減率を見ても、2025年中頃のような急増傾向は落ち着きつつあり、新規登録と廃業が緩やかに進行する構図に変化しています。
前年比での差分や月間増減のグラフ化により、市場の安定度や動的変化を視覚的に把握できる分析が可能となります。
登録・廃業推移の傾向分析
累計登録数に対する廃業件数の比率は約35.9%(21,315件/59,427件)であり、11月時点の35.9%(20,661件/57,512件)とほぼ横ばいです。
このことから、全体の廃業率は約36%前後で安定して推移していることがわかります。
ただし、新規登録数は直近では2,000件を下回るペースに減速しており、法令遵守や収益性の確保といった運営面でのハードルが、参入障壁となっている可能性が高いと考えられます。
また、地域によっては廃業比率が高く、特に都市部以外では需要の変動や人手不足、運営ノウハウの不足が継続的な運営を困難にしています。
事業者タイプ(法人・個人)による傾向の違いも注視が必要です。
2025年9月から2025年11月にかけての全国推移まとめ

届出住宅数は約1,915戸増加
廃止届出住宅数は約654戸増加
背景要因の分析
2026年1月時点の民泊市場における登録・廃業動向には、いくつかの明確な背景要因が影響しています。
まず制度面では、住宅宿泊事業法の遵守義務や自治体ごとの独自条例が、事業者にとって運営ハードルとなっています。特に、消防設備や近隣対応などの要件が厳格化されている地域では、運営継続を断念するケースも散見されます。
外部環境においては、円安が続く中で訪日外国人旅行者数は一定水準を維持しているものの、一部の国や地域からの訪日需要は不安定さを見せています。これは、国際情勢や航空便供給の影響を受けやすい現状が背景にあります。
需要面では、予約の偏りや価格競争の激化により、収益が不安定になっている施設も見られます。特に集客戦略を明確に持たない物件では、稼働率の低下が廃業の引き金となっています。
このように、複数の要因が複雑に絡み合い、市場の淘汰と再編が進行している状況です。
今後の市場見通しと運営者への示唆

市場規模と供給動向
2026年1月時点で、住宅宿泊事業法に基づく届出住宅数は59,427件に達しました。2025年11月時点と比較すると約1,900件の増加であり、過去の月次増加数と比べるとやや控えめな伸びとなっています。
これは市場全体として供給が飽和に近づきつつあることや、法令・コスト面の課題が参入障壁となっている可能性を示唆しています。
一方で、エリア別に見ると、東京や大阪、福岡などのインバウンド需要が堅調な都市では引き続き登録が伸びており、地域差が大きくなっているのが現状です。
また、近年は一棟貸しやデザイン重視の滞在型施設など、ターゲット層を絞った高付加価値型の供給も増加しています。施設数が増えている一方で、短期での撤退や廃業も一定数存在し、市場内の新陳代謝は継続中です。
このように、2026年以降の民泊市場は、量よりも質の供給が求められるフェーズに移行しつつあるといえるでしょう。
運営者が備えるべき視点
民泊市場における競争環境は、かつての「空き物件を使って低コストで始める」段階から、「差別化と体験価値が問われる成熟市場」へと移行しています。
特に立地が必ずしも好条件でないエリアでは、施設の設計やコンセプトに一工夫、二工夫を加えることが収益の鍵となります。単なる宿泊施設ではなく、地域性を活かした体験の提供や、長期滞在に適した設備、写真映えを意識したデザイン性など、選ばれる理由を明確にする工夫が求められます。
さらに、2026年は海外旅行需要の本格回復や国内旅行需要の多様化も予想されるため、インバウンドと国内旅行者の両方を意識したプラン設計も効果的です。
民泊事業者にとって、今後は単なる「宿の提供者」ではなく、「旅の演出者」としての視点が不可欠になっていくでしょう。
【2026月1月の特集】2月は落ち着く一方で春先は動き始める
2026年2月は旧正月を含むインバウンド需要の山場とされる一方で、今年は一部の国・地域における経済情勢や出入国制限の影響により、訪日観光客の動きがやや鈍化しています。
特に中国本土からの旅行者数は、前年比でやや減少傾向にあり、主要都市圏の民泊予約率も前年同月と比較して控えめな水準にとどまっています。これは、一時的なキャンセルや旅行控えが影響している可能性も考えられます。
ただし、3月以降にかけては春休みや桜シーズンを見据えた国内外の宿泊予約が徐々に動き始めています。とくに地方観光地や自然景観エリアでは、早めの情報発信やプロモーションが反応につながる傾向が強まってきています。
運営者としては、2月を“調整と準備の月”と位置づけ、設備やサービスの見直し、価格戦略の再設計、春向けのプロモーション素材準備など、次の需要期に備えた行動が成果に直結しやすいタイミングとなるでしょう。
おわりに
2026年1月時点における民泊市場は、新規登録と廃業の両面で変化が見られました。
特に登録数の伸びが一時的に落ち着くなかで、地域差や事業者の戦略性がより重要になっています。
今後は差別化された施設づくりや需要予測に基づく柔軟な運営が、市場での継続的な成功につながる鍵となるでしょう。
引き続き、本サイトでは最新の民泊情報を発信してまいります。
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